開院1周年のご挨拶

平成15年4月10日で、才田小児科医院は開院1周年を迎えました。
これも一重に皆様方が、地域医療の場における、当院の担う役割を高く評価してくださったお陰であると、改めて厚く感謝しお礼申し上げる次第です。
この1年で当院へは、1,925人の新患患者様に受診いただきました。そして、受診いただいた延患者数は、10,969人の方々です。私、院長以外には、看護師4名、事務3名の計7名のスタッフが医院を支えてくれています。スタッフ間のコミュニケーションも良好で、明るい雰囲気の小児科医院と思っています。『患者さまとのコミュニケーションを大切に』をモットーとし、些細なことでもお気軽にご相談いただけますよう努力して参ります。

私の個人的感想としましては、開院初年度でもあり、光陰矢の如くあわただしく過ぎ去った1年でした。いまその速さには驚くばかりです。1年が過ぎ、開院後2度目の春を迎えました。四季が織り成す風情をじっくりと鑑賞するには、余りにもゆとりのない1年でしたが、冬場の診療室を駆け巡ったインフルエンザ旋風が通り過ぎた今、満開の桜にふと目を向ければ、心地よい倦怠感を覚えます。

開院時の皆様へのご挨拶にも申し上げたように、子どもの成長・発達には日々目を見張るものがあります。小児科学という科目を履修するにあたり、「小児の成長・発達」という単元はその基本となります。大人にとっては、何の変哲もない些細な物事でも、初めて経験した子どもにとってはいつもとても新鮮ですし、興味はさらなる彼らの意欲を生み、新たな発見へとつながっていきます。そんな体験を重ねて子どもは成長していく筈です。
開院当初、抱っこされて来院していた乳児が、ふとある日、院内をヨチヨチ歩きしている姿を目にしました。アーアー、ウーウー程度の片言を発していた子どもが、この春しっかり二語分が話せるようになっていました。「小児の成長・発達」の「実践」を多くの子どもたちが表現してくれる、そんな数多くの「実践」に驚きや喜びを感じることができる、それは小児科という診療科ならではの一つの醍醐味であろうと嬉しく思うと同時に、私自身の診療の励みにもなっています。

昨今の、少子高齢化・核家族化に伴う社会構造の変化、インターネットや携帯電話などの普及による情報氾濫、ファミコン・テレビゲームに代表される遊びの質的変化、外食産業やインスタント食品、コンビニエンスストアの普及に伴う食文化の変化、進学塾通いや受験戦争による睡眠不足やストレス、学校でのいじめ、家庭内暴力、子どもへの虐待など現代の病める社会背景etc.・・・・・こういった複雑な背景が、二次的に疾病構造の変化までをももたらしています。摂食障害(拒食や過食)、不登校、燃え尽き症候群などの心身症はじめ、小児肥満や高脂血症など小児成人病と呼ばれる器質的疾患などがそうでしょう。
情報化時代、飽食の時代と呼ばれる先進国日本ですが、その結果、自ら努力しなくとも簡単に「答え」が得られるようになる。こういった受動的環境に慣れすぎると、自らが模索して「答え」を発見し、ゴールに到達しようという貪欲さがなくなり、逆境に立たされたとき、その解決の糸口すら見出せない子どもになってしまわないかと言うあたり、とても危惧されるところです。

最近では、「医療のコンビニ化」という現象すら見られているようです。核家族化が進み、ちょっとしたことに、アドバイスできる子育ての先輩たるおばあちゃんが同居していません。少子化がすすみ、出生率1.39のわが国では、子育て経験が初めてという方のほうが多いわけです。共稼ぎ夫婦の場合はなおさら事は深刻です。とにかく熱を下げないと、明日、保育園に預かってもらえません。おばあちゃんに預けて・・というわけにはいきません。しかし、お子さんが急病になったとき、落ち着いて子どもさんの状態をよく把握することと、受診以前に、まず親として子どもにしてあげられることはないのか考えてみてくださいね。
仮にお子さんを診察につれてこられ、無言で椅子に座られても、よほどの自信家を吹聴する医師でない限り、的確な診断や処方は不可能です。確実な診断を下し、それに対応するには正確な情報が必要なのです。
子どもさんのことを一番よくご存知であるはずのお母さん、お父さん、そして子どもさん自身にとって一番信頼をいだいている立場のお母さん、お父さん、お子さんの様子がいつもと違うなぁと感じたならば、お子さんが今何を訴えようとしているのかが分かる努力をしてくださいね。特に幼いお子さんの場合、診察室では、恐怖からさかんにお母さんやお父さんに手を差し出し、助けを求める光景が見られます。いったい何を意味しているんでしょう。・・・子どもさんと親とは一番強い絆で結ばれている証拠であることを忘れないでいてください。そんなお子さんを誰よりも理解してあげましょう。

ある意味、お子さんにとっての一番の主治医、
それは「お母さん、お父さん」あなただからです。

 開院1周年を迎えました。初めにも申し上げたように、当院は『患者様とのコミュニケーション』をモットーとし、『インフォームド・コンセント』(きちんとした説明と納得のいく医療)を提供することを常に心がけ、院長はじめスタッフ一同、今後とも精進してまいりたいと思っています。

 ご来院の際には、どうぞお気軽に何でもお尋ねになってみてください。
また、当院のホームページでは『小児科Q&A』を開設しております。こちらの方もご利用下さい。

 「開院1周年のご挨拶」のはずが、昨今の医療情勢や私自身の思いなど、気がつけば冗長としたご挨拶になってしまいました。最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございます。
今後ともよろしくお願い申し上げます。 

 平成15年4月吉日
才田小児科医院  院長 才田 達

開院のご挨拶

4月10日(水)宇治市寺山台に小児科医院を開院いたしました。
院長の才田 達(さいだとおる)です。どうぞよろしくお願い致します。

今年は、私が医者になって21年目の春です。ここ宇治市は、私が21年の医師生活の半分以上(11年5ヶ月)を第二岡本総合病院でお世話になったこともあり、とてもなつかしい土地と言えます。平成11年9月に大学の医局人事により、大津市民病院に異動となり、その後、六地蔵総合病院での勤務を経まして今回開業することになりました。

約2年半ぶりでこのなつかしい地に戻ってきたわけですが、当時、第二岡本の診察室でお見かけしたお母さん方のなつかしい顔ぶれ、開院2週間が過ぎたいま、そんな光景を目の当たりにすることもしばしばで、まるで我が家に戻ってきたようなホットした気持ちにさせられています。それと同時に2年半でずいぶんと成長したお子さんたちには目を見はるものがあり、小児期の子供たちの成長のめざましさに改めて驚きを感じています。

「何で小児科を選んだのか」という質問をされることがよくあります。子供は大人の小型版ではないとも、よく学生のころから小児科の講義で聞かされてきました。小児科医として21年診療に携わってきて、また、自ら二児の父親として子育てをしてきて、子供たちの無限の可能性を大切にしてやりたい。そんな思いです。2年半ぶりに今ここで再会した子供たち、彼らのその成長ぶりにも改めてそう痛感している開院2週間目の感想です。将来の夢や希望を抱いた子供たちの健康を守ること、それが私の使命と考え診療に携わる日々ですが、診療を通して子供たちの成長発達ぶりや新たな感激を目の当たりにしたとき、それが自分自身への新たな糧となり、小児科を選択してつくづくよかったと思うのです。私が研修医時代に主治医として診てきた当時の子供たち、彼らもいま父となり母となり、逆に自分の子供たちを小児科へ連れて行く親の立場になっていることでしょう。もし、みちがえるように成長した彼らと再会できたなら、その気持ちはさらに強烈なのかもしれません。

今はまだ開院2週間にて、何かとバタバタしており、患者さんにもご迷惑をおかけしている点も多々あるかとは存じますが、皆様方のニーズに応えるべく、小児の地域医療に微力ながらも貢献いたす所存でありますので、どうぞよろしくお願いいたします。
5月から、小児科Q&Aをホームページで開始する予定ですので、また何かありましたらお気軽にご利用ください。そしてみなさんの当院に対するご意見ご要望もお聞かせください。

 平成14年4月吉日
才田小児科医院  院長 才田 達



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